2014年度男女共同参画推進センター講演会「ストップ!デートDV~学生のためのハッピー恋愛論~」が開催されました
2014年度男女共同参画推進センター講演会「ストップ!デートDV~学生のためのハッピー恋愛論~」が、7月3日(木)午後4時20分~5時50分、一般教育棟2107室にて開催されました。
この講演会は、学生に広く現代社会のデートDVの実態とその問題点を中心にジェンダー論の視点から問題提起を行い、身近な問題としての恋愛や結婚を通して、学生自身がジェンダーやマイノリティの視点によって自らの生き方や社会のあり方への認識を深めてもらう目的で、本センターが静岡市女性会館と共同で開催する講演会です。また全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の授業の一環としても位置付けられています。
出席学生はおよそ130人、教室はほぼ満室の盛況ぶりとなりました。
講師には、神戸大学、立命館大学、愛知淑徳大学等の非常勤講師で、ジェンダーの視点で労働問題、社会政策を研究され、デートDV防止ファシリテーターとして全国的に活躍しておられる伊田広行先生を大阪からお招きして、90分にわたり講義と質疑応答を行っていただきました。
講義では、まず、「デートDVとストーカー」として、デートDVの定義、典型例、DVの種類、ストーカーの実態などについて概説が行われた後、デートDVが力による支配であり、相手の安心、安全、自由、自己決定、成長を奪う行為であることが説明され、デートDVにならない関係の持ち方のために学んでおくべきことが具体的に論じられました。
続いて、「対等な関係のポイント」として、社会に広がっている「普通の恋愛論」の危うさや、そこに歪んだ観念が存在しているという大きな問題があることが指摘され、そこから「パートナーがいて幸せ」「愛する二人は一体」といった個人の自立を否定する価値観が生じるといった問題が生み出されていること、恋愛論においては「ひとりが基本」という考え方をしっかり身につけ、恋愛を美化しすぎないことが肝心であり、他者の自立を尊重し対等な関係を築くためのシングル単位的な関係性が重要であるという観点がわかりやすく論じられました。
さらに、「事例から学んでいく」では、豊富なデートDVやストーカーの事例をもとに具体的な別れ方や加害者への対応の仕方、リベンジ・ポルノ対策、ストーカー対策などのポイントが説明され、DVのグレーゾーンの段階からの気づきによって、対等な関係へ移行していくことの大切さが強調され、多様な人が多様なままに生きられる社会を築いていくことの重要性、新しい恋愛観の内容がその要点をまとめて具体的に説かれました。
続いて質疑応答の時間では、学生からのさまざまな質問にも熱心に答えていただき、現代の恋愛や結婚に潜む根本的な問題点について、出席した学生があらためて自ら認識を深めていく上で、多くの新しい視点を提供してもらえた充実した内容の講演会となりました。
質疑応答
講演終了後に、受講生からの質問を募集し、講師の伊田先生にご回答いただきました。