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性暴力とジェンダー(7月12日、担当:松林三樹夫)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の13回目の授業が、7月12日(木)5限に行われました。

 今回は、個別領域ごとのジェンダーの問題を扱う各論部分の8回目になります。「性暴力とジェンダー」と題して、デートDV防止教育プログラム・ファシリテーターでカウンセラーの松林三樹夫先生に、男女間の暴力としてのドメスティック・バイオレンス、とくに未婚の若い男女の交際関係の中でしばしば発生するデートDVを中心に、性と暴力をめぐる課題について論じていただくことができました。

 講義では、まず現在の日本のDV、デートDVの実態が数字を挙げて説明され、それが人権、人間の尊厳を侵害する行為であることが明確に指摘された上で、デートDVの種類についても心理的暴力、言葉の暴力、身体的暴力、性的な暴力、経済的暴力などそれがきわめて多岐にわたることが具体的に例示されました。

 その上でなぜDVが発生するかの原因論として、社会の中に蔓延している暴力容認の意識、<女らしさ><男らしさ>の固定観念を作り出すジェンダー・バイアス、力による他者への支配のあり方、さらにとくに激しいDVに関して心に傷を負わせるようなトラウマの体験などがそれぞれ原因として指摘され、愛に暴力は不要であることをしっかり認識することの大切さが説かれました。

 そして、デートDVとどう向き合うかに関して、もしも友だちが、あるいは自分が、被害者あるいは加害者だったら、という想定で、言ってはいけない言葉や対応の仕方について、やはりきわめて具体的な例をもとに、望ましい方法が詳しく説明され、日本で遅れているDV加害者プログラム(カウンセリング)の意義と重要性についても論じられました。また最後に、愛とは何か、という根本的な課題についても、自己研鑽やコミュニケーションの重要性、あるいは愛と性の関係についても、「愛」「相」「合」といった言葉の内容や、テレビドラマの例を取り上げながら、大変わかりやすく論じていただくことができました。

 次回は最終回として、ゲスト講師に歌手で「一期一会」演奏家の会津里花氏をお招きし、性的マイノリティの当事者としての体験と思いを語って頂きながら、講義全体のまとめを行っていく予定です。

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