Top / 事業紹介 / 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」 / 2013年度「男女共同参画社会とジェンダー」市民活動とジェンダー

市民活動とジェンダー(5月30日、担当:松下光恵)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の8回目の授業が、5月30日(木)5限に行われました。

 今回は、「市民活動とジェンダー」と題して、静岡市女性会館館長でNPO法人男女共同参画フォーラムしずおか副代表理事の松下光恵先生をお招きして、市民としての立場からの男女共同参画との関わり、指定管理者としての女性会館運営活動の内容と特色、課題などについてさまざまな角度から講義をしていただくことができました。

 はじめに、先生が男女共同参画社会づくりを市民の立場から実践するNPOとしてその創立から参加してこられた男女共同参画フォーラムしずおかと、そのNPOが指定管理者として運営を2期6年にわたって担ってきた静岡市女性会館について、それぞれの概略が説明され、女性会館を、地域の女性の課題を把握して女性が自ら解決する力をつける場所と位置づけられた後、指定管理者となるまでの先生の歩みと男女共同参画との関わりが紹介されました。その中では、最初専業主婦として、その後仕事と家庭を両立する働く女性としてのご自身の歩みを通して、自分の悩みは個人的なことではなく、女性の自己責任とは関係ない社会のジェンダーの仕組みが生み出した課題であると気づかれた経緯が論じられました。そして、社会から求められている課題の解決をめざして自分たち市民が活動する拠点として与えられた女性会館での1期5年間の歩みを振り返りながら、男性への支援、女性への支援、就労継続支援、女性に対する暴力根絶、貧困問題や災害関連など、今この施設が求められているさまざまな課題解決型の講座や企画の提供の実績が詳しく説明されました。また大学や大学生との連携も強調され、本学の学生たちも参加して実施されている、家庭の置かれた経済状況のために勉強したくてもできない中学生たちへの学習支援をボランティアで行う「静岡学習支援ネットワーク」の活動や、静岡市と連携して若い市民のまちづくりへのアイデアと活力を育成する「まちみがきプロジェクト」講座なども紹介されました。そして、今後はさらに指定管理者として一層女性の自立支援やサポート事業、ワンストップサポート事業などさまざまな課題に取り組みたいという抱負が示されました。

 次回は「労働とジェンダー」と題して、元常葉学園大学教授でNPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事の居城舜子先生により、女性労働を中心にジェンダーの観点から見た現代日本の労働における現状と課題についての講義が行われる予定です。

DSCN0667.JPGDSCN0692.JPGDSCN0735.JPG

受講生の声

国際関係学部・1年・女性

 私は今回この授業を聞いて、一度主婦になった一般の人、もしくは我々も本気で動こうと思って動けば世の中を変えることが出来るのだと身に染みて分かり本当に驚いた。特に昔は現在よりも「性別役割分業意識」が強かったと思うし、その意識をなくすという動きもあまりなかったと思うのでその中で自ら動くというのは簡単ではないから本当に素晴らしいと思った。また、NPO活動で感じたことの中の「やりたいこと≠求められること」というのは気付いているようであまり気付けていなかったと感じたので、これから自分達で企画して行動する際には意識していきたいと感じた。「ジェンダー」というものに最も近く、影響を受けやすいのはやはり市民である。その為、男女共同参画社会実現に向けて、悩みや困っていることがある人は積極的に事業等に参加して、市民の力で協力し合い、問題を解決することが出来たらいいと思った。そして私も活動に参加してみたいと感じた。

国際関係学部・1年・男性

 松下先生の実体験がたくさん含まれていて面白い講義でした。「女性は仕事を辞める自由があっていいなあ。」という松下先生の旦那さんの言葉から、男が損をするジェンダーも存在することに興味を持ちました。この5年間、松下先生たちは数多くの活動をしてきて、たくさんの成果を挙げてきました。しかし、私たちの周りでは男女平等の促進が目に見えることはあまりありません。ジェンダー問題は人々の心を通して、本当に全国民の協力があって初めて解決できる問題で、地球温暖化をはじめとする環境問題にも似ていると感じました。

国際関係学部・1年・女性

 先生の人生をたくさん知ることができて、非常に面白かった。ボランティアでいろんな事業をやるのには限界もあるし、責任があることはやりがいが大きいが負担も多い。私も4月から一人暮らしをはじめ、お母さんの大変さがわかり、自分の行動にも責任を待たなくてはならないと感じることが多くなったが、先生の話を聞いて、同じ想いの人たちと共有してみたいと思った。ただ友達と語り合うだけではなくて、いろんなことについて経験者に尋ねることのできる機会があったらいいだろうと思う。講座では講師も募集しているということで、先生をやった人も自信がついたり、もっと市民のことが理解できるようになったりしていい。楽しい講座でもさまざまな問題解決に一役買っていて、そんな講座を企画する先生はすごいと思った。

国際関係学部・1年・女性

 今回の授業を受けるまで、国内で女性の支援を行う施設があることを知らなかったので、新しい発見がたくさんあってとても良い勉強になりました。フォーラムしずおかが国内の中でも良い事業を行っていて、他の施設の見本になっていると聞いて、静岡の誇れる点がまた一つ増えたなと感じました。松下さんのように大変苦労をしてきて、現在夢を実現しつつある方の話を聞いて、どんなに苦しくても最後まで諦めずに努力することで成果が形となって見えてくるということがわかりました。フォーラムしずおかをはじめとする女性会館のサポートのおかげで、今まで多くの女性が自分の夢を叶えるために社会へ進出していったと思います。しかしながら、せっかくこのような施設があるのに昨日までの私のように存在自体を知らない人が多くいると思います。なので、まずは多くの人々に女性会館の存在について知ってもらうことが大切であると私は思いました。また、女性だけでなく男性も利用できるということも広く知られるようになるといいなと感じました。大学生との協働もこれから実現されていくということで、自分も積極的に参加していきたいと感じました。

国際関係学部・1年・女性

 今日の話を聞いて、私たち女性のために、男女共同参画社会実現のためにこんなにも力を尽くして頑張ってくれている人達がいるんだということを知って、とても感動しました。さらに、長い間専業主婦をされていた女性が様々な事業を展開していき、成果を上げてきたということで、より親近感も湧いてきたし何より勇気をもらいました。並々ならぬ努力があってこその結果だとは思いますが、私のような平凡な人間にも頑張ればなにか人の役に立つことができるかもしれないと思うと、とても嬉しかったです。大学を卒業し就職をして結婚をすることになった時、仕事を辞めるのか、また子供を産んだら復帰するのか、自分はどうなりたいのかまだ全然分からないのですが、こういう施設や私たちを応援してくれる人々がいてくれると思うととても心強く思います。本当にありがとうございます。