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男女共同参画社会とジェンダーの視点(4月30日、担当:犬塚協太)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の2回目の授業が、4月30日(木)5限に行われました。

 今回は前回に引き続き犬塚センター長が担当し、授業全体の概論部分の出発点として、男女共同参画社会という言葉の意味をどう理解するか、そのポイントを「男女」「参画」「共同」の3つの言葉の解釈を中心に詳しく論じました。特に「共同」という言葉の意義を通して適切に理解することについて説明がなされ、これまでの性別役割分業社会の対比やジェンダーという言葉の基本的な意味、その問題点などについても、具体的に解説が行われました。またとりわけ若い世代の個人一人ひとりが、ジェンダーにとらわれず、また自分の問題としての自覚を持ち、各々の個性と能力を活かして主体的、能動的に社会を作り動かすことによって男女共同参画社会は実現できるというメッセージが強調して語られました。

 さらに次回は、ジェンダー概念の広がり、性別役割分業の歴史的展開や男女共同参画社会の必要性について講義が行われる予定です。

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受講生の声

国際関係学部・1年・女性

 今回の講義で最も印象に残っている内容はマタハラについてです。いくら昨今の日本で女性の社会進出が推進されているとはいえ、まだまだ女性に対する偏見は根強く残っています。男性の力や権力を使って女性に嫌がらせをするセクハラやパワハラももちろん許せませんが、特にマタハラが私は許せません。妊娠や出産、出産直後の育児は男性に代わってもらえることではないですし、本来、出産は祝福されるべきことなのです。それにも関わらず、会社から不当な扱いを受けることは同じ女性として本当に許し難いです。少しでも早く本当の意味ですべての人が個性を生かして気持ちよく働くことができる社会が実現することを願います。

食品栄養科学部・1年・女性

 今回の授業では、初めて知ったことや気づいたことがたくさんありました。まず、私は男女共同参画社会という言葉は知っていたけど、意味はよく知りませんでした。今回の講義から、込められた意味とその大切さが分かりました。そしてそれを実現することはみんなの意識を変えることが必要だと分かりました。私自身も、男性が家事を「手伝う」ことは良いことだと考えていたけど、その「手伝う」ということが、勝手に性別としての役割を決めつけているということに気付いたので、この意識を改めたいです。これから、生物学的な性役割と「作られた」性役割について授業からや自分で調べることで知っていきたいと思いました。

国際関係学部・1年・女性

 「男女共同参画社会」という言葉の中で、私も「共同」という言葉が一番大切だと思いました。私自身女性ということもあって、女性は例に出ていたマタハラやセクハラなど多くの苦難を経験しているため、男女共同参画社会というと、少し女性の地位向上に重点を置いてしまっていました。しかし、「共同」なので、女性だけではなく、すべての人が平等になる必要があるので、少し考えを改めようと思いました。また、実際、公と私的な場で男女の役割の区分をなくすといっても、私は女性ではなく男性が家事をしているのを見たら優しい人だと思ってしまいます。確かにその男性はやさしい人だと思いますが、講義の中で挙げられた、「残念な夫」の例のように、私の中で性別役割分業のような考え方が根本的にあり、男性が、自分のしなければならない役割を超えて、女性の役割を補助してくれているから優しいのだと思ってしまっているのだと思います。改めて考えてみれば、女性が家事をしていても特別なにも思わないのに、男性が家事をしていると優しいと感じてしまうのはおかしいことだとわかるのですが、なかなかこの考え方を払拭できない現実があります。しかしこの講義を受け、自分の考えを省みることができたので、以前より男女共同参画社会についての意識を深められたと思います。