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マイノリティとジェンダー~特別講義とミニ・コンサート(7月23日、担当:会津里花)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の14回目の授業が、7月23日(木)5限に行われました。

 今回は、「マイノリティとジェンダー~特別講義とミニ・コンサート」と題して、「一五一会」インストラクター/ベーシストで、トランスジェンダーの会津里花さんをお迎えして、マイノリティとジェンダーについての特別講義と自作の歌を中心とするミニ・コンサートを行っていただきました。

 はじめに、犬塚センター長の紹介の後、特別講義として、一五一会の演奏と自作の歌を織り交ぜながら、会津さんによるトランスジェンダー(MtF)として、そしてバイセクシュアルとしての自分の人生のさまざまな体験と思いとが語られました。

 会津さんからは、ジェンダーを「体の性別」、「心の性別」、「らしさの性別」、「好きになる性別」の4つの次元に分けてそれらの組み合わせとしてとらえる視点が示され、男性と女性は決して2つに分断されるものではなく、両者は連続的で切れていないことが強調され、性別についての二分法的な発想の誤りへの注意がなされました。そして、自分のこれまでの人生のプロセスを通して、自尊感情がなかなか持てなかった子ども期の心理状態や、プライベートな領域での人との出会いと別れ、トランスジェンダーとして、バイセクシュアルとして、どのような生き方を経験してこられたか、その中で自らの現在の立場をどのように見出し築いていかれたかが詳しく語られ、性的なマイノリティの人々への差別の根源として「無知の否認」という態度が偏見や差別を生みだすことが指摘されました。その上で、結論として、一人ひとりの性を大切にして生きることがいかに重要であるか、そしてその内容は、自分の性を大切にする(又は直視する)ことと他人の性を大切に(尊重)することであることが強調されました。その他にも学生に感じ受け止めてほしい多くのメッセージもさまざまに語られました。

 合間には自作の歌の演奏も織り込まれ、受講した学生たちは、会津さんの率直で明るくわかりやすい語りと、さまざまな思いのこめられた素晴らしい歌を楽しみながら、マイノリティとジェンダーについての課題の広がりの大きさと大切さについて、あらためて認識を深めることができました。

 次回は、授業全体を振り返りつつ、ゲストのメンター方々のお話を参考にして、ジェンダーの視点から、学生自身に自分の将来のキャリア形成を考えてもらうメンターカフェを行って、授業のまとめとしていく予定です。

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受講生の声

薬学部・1年・女性

 性分化疾患といっても様々な人がいて、それぞれの悩みは少しずつ違うのだと初めて知った。自分の中でジェンダーが形成されていくときの周りの環境によってその後の人生や考え方が随分変わってしまうのだとわかった。また、性転換手術が日本で認められてからそれほど時間が経っていないと思うが、手術したいと思っていて、手術ができた人が増えたことはとても喜ばしいことだと思う。そして、講義の中で、女性がされて嫌だと思うことは、男性にとっても嫌なことだという言葉が一番印象に残った。

国際関係学部・1年・女性

 自分にはバイセクシュアルの友達と、FTMの人と付き合っている友達がいます。自分自身、ソフトボールをずっと続けてきて、ソフトボールをやる環境に身を置いていた自分にとってそういう方は特別でもなんでもなく、普通のことであると思っています。ソフトボールは他のスポーツと比べてそういった方たちが多いと感じます。でも、今日の講義で周りの反応を見ていて、それはもしかしたら普通のことではないのかと思ってしまいました。男/女とはっきり区別することができない、むしろそれは絶対にできないと思います。自分にはすごく近くにバイセクシュアルやFTMの現実があって、誰よりも理解しているつもりでした。今日会津さんが、「わかっているつもりだったけど、それは違った。」という発言を聞いて、実は自分もそうだったかもしれない、ただの偽善者だったかもしれない…と思いました。

国際関係学部・1年・女性

 私たちが自分が自分だと気づくのは、心と体が一致していない、と分かった時だと思った。親に、男の形をしているから男だと言われ、女の形をしているから女だと言われ、その形に合う振る舞いをしたり、洋服を着たりする。でも大切なのは外見ではなく心だ、と会津先生の話を聞いて改めて思った。正直、初め会津先生を拝見した時、すぐに性別のことが気になった。先生の形に合った声をしていなかったからだ。だが、先生の話を聞いていると、形なんか気にせず、もっと話が聞きたい、知りたい、と思うようになっていった。大切なのは外見ではなく中身だと、中身こそにその人自身が表れる、と強く思った。

国際関係学部・1年・女性

 実際にトランスジェンダーの方のお話を聞いて今までの学問的なお話とは違って印象に残るお話、歌でした。男性から女性になることは芸能人を通じて大衆の中でも最近では広く認知され始めている時代にあっても多くの苦悩があったことが分かりました。また、性の中には体や心だけでなく「らしさ」や好きになる性などより細かな分類がある事を知り、講義を通じて視野が広がりました。私自身はトランスジェンダーではありませんがどのようにしたら自由な性のあり方を意識しなくても受け入れられていく、広がっていくような社会を作れるだろうかと考えさせられました。