Top / 事業紹介 / 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」 / 2016年度「男女共同参画社会とジェンダー」男女共同参画社会とジェンダーの視点

男女共同参画社会とジェンダーの視点(4月21日、担当:犬塚協太)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の2回目の授業が、4月21日(木)5限に行われました。

 今回は前回に引き続き犬塚センター長が担当し、授業全体の概論部分の出発点として、男女共同参画社会という言葉の意味をどう理解するか、そのポイントを「男女」「参画」「共同」の3つの言葉の解釈を中心に詳しく論じました。特に「共同」という言葉の意味を的確に理解することを通じて、これまでの「性別役割分業」社会と「男女共同参画」社会の対比や、前者から後者への転換が現代社会で強く求められていることを理解することの重要性が強調されました。さらにこれまでの性別役割分業に代表されるジェンダーという言葉の基本的な意味、その問題点などについても、さまざまな分野の学問的成果を基に、具体的に解説が行われました。またとりわけ性別役割分業によって動いてきたこれまでの日本社会の問題点と限界が、グローバル化、経済・社会システムの転換、少子高齢・人口減少社会の進展という3点から詳しく論じられ、男女共同参画社会をめざした取組の重要性というメッセージが強調して語られました。

 さらに次回は、ジェンダー概念の広がり、性別役割分業の歴史的展開や男女共同参画社会の必要性について講義が行われる予定です。

DSCN5774.JPGDSCN5812.JPGDSCN5826.JPG

受講生の声

食品栄養科学部・1年・女性

 私の父が朝ご飯の準備を手伝っている時、母が「家事を手伝ってあげた、という言い方はしてほしくない。」と言う事があります。私はそれを聞くたびに「手伝っているのだから、わざわざそんなこと言わなくてもいいのに。」と思っていました。でも今回の講義をきいて、私の今までの考え方は母が家事をすることが「当たり前」だと考えてしまっているからだと気が付きました。男女共同参画社会という言葉は昔から知っていたし、理解しているつもりだったけれど、無意識のうちに性別役割分業を当たり前だと考えていた自分に気づき、驚きました。

食品栄養科学部・1年・女性

 男女共同参画と地域・防災との関わりについてで、私自身は避難はしなかったが東日本大震災を経験したため、男女の気持ちの差について熊本地震の事を先生が話された時、私は非常に同意した。女性のトイレの使用や着替えへの気持ちは分かるので、はやく地域で対策を練ってほしいと感じた。

 また、男女共同参画の言葉の言い換えは「あらゆる個人1人1人が性別に関わりなく個性・能力をフルに発揮・活躍する」だと聞き、私は今までは「男女が同等に社会に参加する」だと思っていたので、話を聞きそういうことだったのかとより理解を深めることができていい経験となった。今後の授業でもっと理解を深めていきたい。

食品栄養科学部・1年・女性

 「女の人が家事をする」「結婚したら仕事を辞める」ことを決めつけることが一概に悪いとは私は思いません。私は母が普通に会社員として毎日働いているため幼いころから「私は結婚しても働き続けたい!」と思っていましたが大抵それを女の子の友達に言うと否定され「結婚したら仕事を辞める」と言ってる子が大半でした。だからわたしは好んで専業主婦をしているならば別に子育ては一人でも十分だと思います。私は女の人が働き続けたいと思うときのみ「男」と「女」ではなくそれぞれが個々の能力に応じ同じ負担を背負うべきだと思います。また、今は男性の方がより高い地位についてますがそれはただ能力が女性より男性が勝っているわけだけではないと思うのでこれから男女関係なく同等の環境、機会を与えたうえでその結果地位の位置づけが決まればいいなと思います。

国際関係学部・2年・女性

 私自身、最近は女性の社会進出が進んでいるとはいえ、まだ女性はバリバリ働くというより、家庭の中で育児や家事をするイメージが強かったのですが、確かに女性が家事や育児をしなければならないなんて決まりはないし、女性だからこそできる気遣いが社会をより良いものにできるのではないか、と思いました。熊本の地震での避難所生活で、女性はトイレに行きにくく、水分を摂らなくなる、でも女性は遠慮しがちだから言い出せないという話を聞いて、女性ならではの気遣いで引っ張っていけるリーダーの必要性を感じました。

食品栄養科学部・1年・男性

 国や都道府県をあげて男女共同参画社会に関する計画が進められていることは知らなかったが、やはり一朝一夕で簡単に改善できる問題ではないのだと感じた。また、被災地などのような場でもジェンダーに関する問題があるとわかり、本当に様々な部分にジェンダーは関わっているのだなと驚いた。人はそれぞれ多様な考えを持っており、他者のことを完璧に理解するのは不可能である。その中でジェンダーに関する問題を解決に導くには一人ひとりが他者を尊重し、お互いの理解をより深めていく必要があると考える。性別という概念を越えた先に男女共同参画社会の実現があるのだと思う。