Top / 事業紹介 / 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」 / 2016年度「男女共同参画社会とジェンダー」市民活動とジェンダー

市民活動とジェンダー(7月7日、担当:松下光恵)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の12回目の授業が、7月7日(木)5限に行われました。

 今回は、「市民活動とジェンダー」と題して、前静岡市女性会館館長で、現在はNPO法人男女共同参画フォーラム静岡代表理事の松下光恵先生をお招きして、市民としての立場からの男女共同参画との関わり、指定管理者としての女性会館運営活動の経験と特色、その他の活動などについてさまざまな角度から講義をしていただきました。

 はじめに、1960年代の食品公害問題、70年代の福祉問題、90年代の災害ボランティアを事例として、社会問題の解決における市民活動の意義や重要性が論じられました。また、市民が行う自由な社会貢献活動を促進するための法律として特定非営利活動促進法が制定されていること、同法が規定する男女共同参画社会の形成をめざす団体として「男女共同参画フォーラムしずおか」が設立されたことが説明されました。

 講義の前半では、世界と日本の社会変容と松下先生の自らの人生を振り返り、ご自身が日常生活で直面する社会問題もこれまでに大きく変容してきたことが説明されました。また、市民活動の視点からは、性別役割分業がごく当たり前だった時代には、多くの地域活動においても性別による役割分担が当たり前に行われていたことが説明されました。さらに、地域活動やボランティア活動を通じた社会問題の解決には限界があることを、ご自身の実体験と率直な感想を聞かせていただきました。松下先生が設立に携わったフォーラムしずおかについては、市民を対象とした支援活動の実施実績、指定管理者としての静岡市女性会館の運営業務、活動・業務についての厳格な評価の実際などを、具体的な事例や統計資料をあげて紹介していただきました。

 講義の後半では、現在実施されている支援事業や協働事業の例として、本学の学生も参加している「静岡学習支援ネットワーク」との連携事業、静岡県社会福祉協議会の助成事業として開講されている「ひとり親サポーター養成講座」、社会的事業・起業をテーマにした市民講座「地域デザインカレッジ」、「フードバンクしずおか」「外国助成DV被害者支援連絡会議」による生活困窮者の支援活動が紹介されました。また、静岡市女性会館の紹介ビデオが上映され、広く市民に開かれた活動の場でさまざまな事業や取り組みが行われていることが説明されました。講義の最後には、本学学生にも参加できる社会活動として、7月10日に行われる参議院議員選挙での投票の呼びかけがなされました。

 講義を通じて松下先生からは、地域の課題を市民が自ら解決する力をつけることが必要であること、無償のボランティアではない適正な利潤を追求する市民活動が成立しうること、市民活動は科学的なデータに基づいて企画・実行される必要があること、異なる領域を結ぶネットワークの構築が重要であること、これらの論点も受講生に問いかけられました。受講生にとっては、市民活動の実践についての理解を深める有意義な機会となりました。

 次回は、本学国際関係学部准教授の藤巻光浩先生により、マイノリティーとジェンダーに関する講義が行われる予定です。

DSCN6587.JPGDSCN6626.JPGDSCN6633.JPG

受講生の声

経営情報学部・1年・女性

 今は選挙権が18歳に引き下げられ、幅広い年代の人の意見が反映されるようになってきたが、戦前では女性には選挙権だけでなく、教育権や労働権などいろいろな権利がなく、今の生活が当たり前ではないんだ、と知った。2015年の世界経済フォーラムによると日本は145カ国中101位で半分以内にも入ってなく、すごく残念な結果だった。寿命と男女比は42位で上位なのに、経済活動の参加と機会、政治への関与の分野で100より下で経済や政治の面ではまだまだ男女平等になっていないことを改めて感じた。選挙権が18歳に引き下げられ、今年から私も選挙に参加できるので積極的に参加していきたいと思った。

国際関係学部・1年・女性

 市民活動と聞いてボランティアのようなものかと思っていたが、話を聴いていくうちに本格的な事業であるということを知った。地域社会がより良くなるように様々な年齢層に合わせた企画が成されているのを知り、今後もこのような事業が日本中で展開されていけば、もっと良い社会につながっていくのではないかと思った。   また、やりたい事より求められている事に目を向けることが重要であり、力は責任を担って初めてついてくるという言葉に重みを感じ、私自身市民活動にとても興味を抱いた。ジェンダーに関する課題などもまずは地域という規模で取り組んでいく事で、徐々に解決に向かって動いていけるのではないかと感じた。

経営情報学部・1年・女性

 今までの授業で学んできて日本はまだ男女平等の社会は築けていないとは思っていましたが、日本の男女平等指数が145ヶ国中101位と非常に低いということを聞きとても驚きました。また、今当たり前である教育だったり、労働だったり、参政権は、戦前の女性にはなく、今普通に教育を受けれていることを大事にしたいと思いました。男性の正規で働く人に比べて、女性の正規社員は少なく、非正規で働く人が半分以上いることから、やはり日本は男女平等な社会ではないと感じました。女性会館というものがあるのをを初めて知りましたし、その活動は女性のためだけではなく、学生のためのものもあって、女性会館の取り組みに興味を持ちました。生活困難リスクを抱えている人が増えているのに、生産年齢人口の減少により税収が減るので、それをどうやってうまくやっていくかが、これからの課題となると思いました。

食品栄養科学部・1年・女性

 今回の講師の松下先生は女性会館の代表をしていらっしゃる方ですが、専業主婦も経験したことがあるということを聞いて驚きました。私の中で、女性会館の代表をするような方はキャリアウーマンとして第一線でバリバリ仕事をしてきた方というイメージがあったからです。

 松下先生が学校のPTAや自治会の活動に参加するときどうしても男性が責任者となって、女性は指示を待ってしまいがちだとおっしゃっていました。私も女性で自治会長な方をみたことがないし、何かの活動をするとき責任者になるのは、私は気が引けてしまいます。部活の部長や学校の生徒会長も男子が多いです。しかし、それは男性に圧迫されて責任者になれないというよりは、むしろ女性が自ら一歩下がっているように感じました。女性が自分でもっと活躍したいと活動していく必要があるのではないかと思います。

国際関係学部・2年・女性

 1945年に婦人参政権が認められた当時、女性達はすごく喜んで、一番いい着物を着たり前日の夜から眠れなかったりしていたということに驚きました。私は今年初めて選挙の投票をしたけれど、選挙権が与えられたことに対して特に嬉しいとも思わなかったし、初めてだから行っておこうかぐらいの軽い気持ちで、それぞれの候補者のマニフェストなども何も知らずに行ったので、当時の女性達との意識の差を感じました。また、日本は女性の意思決定機関への参加のランクが低い、というお話の中で、都知事選やこれは日本ではないけれど、アメリカの大統領選からも見受けられるように、男性だけではなく、女性も女性がトップに立つことに対して抵抗があるのではないかということをおっしゃっていたのですが、これにも驚きました。私は今まで変えていく必要があるのは男性の意識だと思っていたけれど、そうではなく女性の意識も変えていく必要があるんだな、と思いました。「力が付いてからやろう」と言っていては一生チャンスはやってこないという言葉は私達学生にも当てはまると思うので、学生だからまだいいかな、などと思わず、積極的に色々なことに参加していきたいです。

経営情報学部・1年・女性

 今までの講義はどちらかというと理論を学んできたが、松下先生は自分の経験をもとに男女不平等について語ってくれたように感じた。先生自身、就職するときは本当にやりたいことではないものに就いたそうで、職業選択すらも自由にできなかったのだと、その現実を知ることができた。また、選挙権を初めて女性がもらえたときのことをおっしゃっていて、今では普通のことができなかったのだとわかり、私も今年からもらえた選挙権を大事にしたいと思った。しかし少々関係ないことになってしまうが、実際は住民票の関係で投票できないのが現状である。制度を変えることも大事だが、それを行使できない人もいることを知ってもらいたいと思った。そういう意味では、男女平等の制度が整ってきても、企業がそれを取り入れるかは自由なので現状が変わるとは思えない。全員が平等について意識できるようになってもらいたいというのが私の願いであり、アイセル21という存在を知ることができたのでそこで行われているイベントに参加してみたいと思った。そして、そういう場があることを私の口から広めていたら良いと思った。