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マイノリティとジェンダー~特別講義とミニ・コンサート(7月21日、担当:会津里花)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の14回目の授業が、7月21日(木)5限に行われました。

 今回は、「マイノリティとジェンダー~特別講義とミニ・コンサート」と題して、「一五一会」インストラクター/ベーシストで、トランスジェンダーの会津里花さんをお迎えして、マイノリティとジェンダーについての特別講義と自作の歌を中心とするミニ・コンサートを行っていただきました。

 はじめに、犬塚センター長の紹介の後、特別講義として、一五一会の演奏と自作の歌を織り交ぜながら、会津さんによるトランスジェンダー(MtF)として、そしてバイセクシュアルとしての自分の人生のさまざまな体験と思いとが語られました。

 会津さんからは、まず、2003年に成立した性同一性障害に関するいわゆる特例法の「子なし要件」や1969年のブルーボーイ事件判決などの事例を挙げながら、性別の変更に対する社会の厳しい対応が、当事者にとって自分の生き方の否定につながる問題を生み出してきた日本社会の問題点が指摘されました。そして、自分のこれまでの人生のプロセスを通して、自分の否定につながる低い自己評価を生み出してきた子ども期の経験や、家族といったプライベートな領域での人との出会いと別れ、トランスジェンダーとして、バイセクシュアルとして、どのような生き方を経験してこられたか、その中で自らの現在の立場をどのように見出し築いていかれたかが詳しく語られました。また、自作の歌を通して、たとえば、変えることのできるものを変える勇気と、変えることのできない者を受け入れる落ち着き、そして、その両者を見極める賢さを望むという、「ニーバーの祈り」のメッセージの意味が学生たちに強く伝えられました。その上で、一人ひとりの性を大切にして生きることがいかに重要であるか、そしてその内容は、自分の性を大切にすることが他人の性を大切に(尊重)することであることが強調されました。その他にも学生に感じ受け止めてほしい多くのメッセージもさまざまに語られました。

 合間には自作の歌の演奏も織り込まれ、受講した学生たちは、会津さんの率直で明るくわかりやすい語りと、さまざまな思いのこめられた素晴らしい歌を楽しみながら、マイノリティとジェンダーについての課題の広がりの大きさと大切さについて、あらためて認識を深めることができました。

 次回は、授業全体を振り返りつつ、ゲストのメンター方々のお話を参考にして、ジェンダーの視点から、学生自身に自分の将来のキャリア形成を考えてもらうメンターカフェを行って、授業のまとめとしていく予定です。

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受講生の声

食品栄養科学部・1年・男性

 以前に比べれば、性同一障害や同性愛に対する偏見などは少なくなったかもしれないが、まだまだ改善されたと言えるようなものではないと思う。普通ではない、マイノリティーであるという認識が存在し、それを助長しているのが他でもないジェンダーなのだと分かった。社会の風潮によって苦しい思いをしている人がいることを認知し、世間がどう受け入れていくべきか考える必要があると感じた。

 会津さんの歌は素晴らしく、歌詞やメロディーに力強さがあり感動した。ジェンダーという問題の核心に迫るような話と楽しい歌とで非常に有意義な時間であった。

国際関係学部・2年・女性

 会津さんが生きてきた時代では性転換をすることへの偏見から男性として生きないと生きていけないと感じた、ということに驚きました。今でも完全に受け入れられたわけではないけれど、特例法があったり、大学などでジェンダーを学ぶ授業があるだけまだいい方なのかな、と思いました。また、結婚したこともあって、息子さんもいる、ということに驚きました。これは当事者同士でも大きな問題となったということでしたが、そうしなければ生きていけないと思うほどに差別や偏見が大きかったと思うと、辛い時代だったんだな、と思います。また、戸籍を変更できるようになったという側面だけを見て、良かったなと思っていたけれど、実際には家族の戸籍から外されてしまったり、子どもがいる人は変更できないなど、当事者の方の気持ちはあまり配慮されていないことを知りました。お母さんが2人というのはよくないというけれど、実際にはそんな事例はなく、そういう縛りを作ることで思い込みでギクシャクしてしまうのではないかというお話は、まだまだ世間の偏見が残っているということだと思います。また、バイセクシャルの方はゲイやレズビアンの方から差別される、ということを聞いて、人は自分と違う考えを持つ人への偏見を捨てきることはできないのかな、と思いました。私が気づいていないだけかもしれませんが、私はまだ身の周りで性的マイノリティの方に出会ったことがありません。でももしこれから先出会ったら、会津さんにとっての音楽のように性別とか関係なくその人が持っている、素敵なところを知っていきたいです。

経営情報学部・1年・女性

 会津さんは、見た目は女性だし、「女性です」って言われても違和感がないし、性同一性障害で性別適合手術をうけたようには感じられなかった。会津さんの話を聞いて、『自分を持つ』ということはすごく大事なことだと思った。自分が本当に思っていることは自分にしかわからないし、自分にウソをついてもダメなんだと思った。自分で変えられることはたくさんあるけど、姿、遺伝子など、自分で変えられないこともたくさんあると改めて知ったし、それをしっかり受け止めて生きていくことが大事だと思った。私は「女性になりたい」って思ってる男性がいることを知ってるし、誰がそういう風に思ってもおかしくないと考えていたので、そういったことが性同一性障害と呼ばれ、なぜ『障害』とつけられてしまうのかがすごく疑問に思う。会津さんの今までのことの歌をたくさん聞けて、一曲一曲がすごく身に染みた。会津さんはこどもがいるけど離婚してしまったり、性転換したり、死にたくなったりと辛い気持ちになったことがなんどもあったと思うけど、今日話を聞いて会津さんはすごく明るい方だと思ったし、自分のことを改めて考える良い機会になった。