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男女共同参画社会とジェンダーの視点(4月27日、担当:犬塚協太)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の2回目の授業が、4月27日(木)5限に行われました。

 今回は前回に引き続き犬塚センター長が担当し、授業全体の概論部分の出発点として、男女共同参画社会という言葉の意味をどう理解するか、そのポイントを「男女」「参画」「共同」の3つの言葉の解釈を中心に詳しく論じました。特に「共同」という言葉の意味を的確に理解することを通じて、これまでの「性別役割分業」社会と「男女共同参画」社会の対比や、前者から後者への転換が現代社会で強く求められていることを理解することの重要性が強調されました。さらにこれまでの性別役割分業に代表されるジェンダーという言葉の基本的な意味や、その問題点などについて、ジェンダーと生物学的性差(セックス)との区別の重要性や、時代によって変化し、社会・文化によって多様なジェンダーの特徴などに触れながら、さまざまな分野の学問的成果を基にして、具体的に解説が行われました。またとりわけ性別役割分業によって動いてきたこれまでの日本社会の問題点と限界が、グローバル化、経済・社会システムの転換、少子高齢・人口減少社会の進展という3点から詳しく論じられ、男女共同参画社会をめざした取組の重要性というメッセージが強調して語られました。

 さらに次回は、同じくセンター長より、フェミニズムの視点から、性別役割分業や近代社会の家族、労働の歴史的展開、現代のジェンダーへの批判的視座などについて講義が行われる予定です。

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受講生の声

国際関係学部・2年・女性

 現在は昔と異なり、多くの女性が働いている。しかし、働く女性が増えたからといって育児や家事の負担は減っていないと感じる。家のことは女性の仕事、という考え方は強すぎて女性も男性も受け入れてしまっている。女性はやることが多すぎて疲れてしまうし、男性は常に与えてもらっているので料理スキルなどの生活能力がない。実際、私の祖父はスーパーに行っても何も買えない。どんな食材を買ったら良いか分からず、お弁当すら選べない。このままでは女性も男性も不幸ではないだろうか。男女が共に幸せになれる社会についてもっと考えていきたい。

食品栄養科学部・1年・女性

 私は出身地の市に男女共同参画社会推進センターというものがあることを知っている。しかし、具体的にどのような活動が行われているのかについては全く知らない。表面的にジェンダーについて知っていても、一般的な理解の乏しさの一端を私も担っているのだと思った。

 私の両親は共働きで父より母のほうが帰りが遅い。しかし夕飯は母が作っている。稀に父が作ることもあるが、そういう時の父の「作って“あげた”」というような態度に違和感を覚えることもあった。やはりこれもジェンダーに関する問題だったのだ。性別で役割を分けるのではなく、できる人がやればいい、自分自身はそういう姿勢でありたいと思った。

経営情報学部・1年・女性

 私が今回印象に残ったことは、昔の男性が今の「イクメン」と呼ばれる男性よりも育児をしていたということだ。江戸時代では職場にまで子供を連れていったと聞き、現代では考えられないと思った。現代では、どちらかというと女性が子供を連れてきてもいいという職場づくりに力を入れているイメージがあったため、男性が子供を連れてくるという発想は新鮮だった。

 また、ジェンダーと生物学的性差の違いについて知り、マークシートなどの性別の欄には必ず“sex”(男または女)と書かれており、“gender” (自然の性とは必ずしも対応するとは限らない)とは書かれていないことに気付いた。何気ないこの様な小さなことでも男女差別につながるのではないだろうか。

経営情報学部・1年・男性

 今日授業を聞くまで、すでに男女共同参画についての多くの議論が行われていることを知らなかった。「男女共同参画」という言葉はなんだか少し難しい言葉で理解するのは難しいと思っていたけれど、3つの単語に分けることでかなりわかりやすい表現になり、どのような意味なのか理解できたと思う。性別分業をすることがこれから大切になってくるので、この話をまだ知らない人に伝えていくことで男女共同参画のことも性別分業のことも多くの人が理解できるし、性別分業を推進させていけると思った。