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男女共同参画社会と法制度(5月18日、担当:坂巻静佳)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の5回目の授業が、5月18日(木)5限に行われました。

 今回は国際関係学部講師の坂巻静佳先生が担当され、「男女共同参画社会と法」と題して、法律学の観点から、男女共同参画社会を築き支える法制度のあり方について、その特色と課題が論じられました。

 はじめに、社会において法が果たしている役割を学ぶために、法治国家における法の機能、日本の法体系における法体系の役割、国際法と国内法、これら3つの視点が提示されました。また、社会のあり方と方向性を決めるさまざまな法の定義、基本法や法令・ガイドラインの制定プロセスについても説明が行われました。次に、日本における女性差別撤廃への歩みが、日本国憲法の制定、女子差別撤廃条約の批准、男女雇用機会均等法の施行の3つの観点から、時系列的に説明されました。国籍法の改正や学習指導要領の改訂、セクハラ・マタハラ防止の義務化など、受講生に馴染み深いことがらが女性差別撤廃への歩みに関わりを持っていることも紹介されました。続いて、男女共同参画社会の実現に向けたさまざまな取り組みがなされていることが、ナイロビ世界会議の開催から男女共同参画社会基本法の制定まで説明されました。基本法制定以降については、最新の時事問題や労働問題に触れながら、現在安倍内閣のもとで進められている女性活躍推進と働き方改革についても解説が行われました。しかしながら、日本における近年の女性の活躍の推進等は、成長戦略の一環として展開されており、個人の権利の保障の文脈で進められてきたものではないことには留意が必要と指摘されました。加えて、日本が国際社会からの要請に必ずしも応えられておらず、女子差別撤廃が十分に達成されていないことが、民法に規定されている非嫡出子相続、再婚禁止期間、夫婦別姓を例に検証されました。最後に、男女共同参画社会の実現や女性差別の撤廃のためには、日本における政策展開の大きな流れを理解すること、特に、法制定と政策展開に強い影響力を持つ国会議員の動向に関心を向けることが重要であると指摘されました。

 豊富な資料に基づいて、最新の法律制定の動きや国連の日本への指摘、最高裁の違憲判決、合憲判決などによる最近の法改正の動向などにも詳しく触れられ、わかりやすく丁寧に男女共同参画社会と法制度の関係が論じられた授業となりました。

 次回は、新たな歴史的視点に立った女性史の展開について、平井和子先生による「歴史とジェンダー」の講義が行われる予定です。

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受講生の声

国際関係学部・2年・女性

 坂巻先生は、選挙の際は立候補者のホームページへ行き、どんな政策を目指しているのか確認するべきであり、その理由は党の方針と個々人の考えにはズレがあるからだ、とおっしゃっていた。また、選挙で当選しなければただの「人」であるので必ず選挙に行き投票するように、ともおっしゃっていた。

 私はせっかく18歳から選挙権を与えてもらっているのに真剣に考えもせず投票してきた。一つの法が制定し、施行されるのも多大な時間がかかり、多くの人の努力の上で成り立ってきたはずだ。なのにその恩恵を当たり前のように享受している自分を恥ずかしく思った。今度選挙に行く際は誰が社会をより良くしてくれるか、また自分も応援できそうな政策の人物について深く考え関心を持って臨みたい。