Top / 事業紹介 / 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」 / 2018年度「男女共同参画社会とジェンダー」イントロダクション

イントロダクション(4月12日、担当:犬塚協太)

 本センターが担当する2018年度全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」が、4月12日(木)5限からスタートしました。

 この授業は、全学部の学生を受講対象とし、1人でも多くの学生が、大学入学後早期に男女共同参画社会への理解を深め、ジェンダーに縛られた社会のあり方を批判的にとらえる視点を身につけて、ジェンダー平等な社会の実現に関心と意欲を持つことを目標に、本センターによって毎年前期に開講されている科目です。第1回目の授業では、まず犬塚センター長が、「イントロダクション」として、「男女共同参画」や「ジェンダー」という概念が現代の社会のあり方にとって持つ意味の重要性や、一人一人の学生のこれから先の人生、特に卒業後の社会人としての家族や職業のキャリア形成のプロセスで、この授業で得た知識を活用して望ましい個人生活、キャリアの実現と、市民社会の一員としての社会変革の活動の両方をともに実現していくことの大切さ等を説明しました。さらに授業展開の概要として、全体のスケジュールと毎回の講師や授業内容の紹介、成績評価、レポート提出の注意などについてガイダンスを行い、さらに新受講生を対象として、男女共同参画社会やジェンダーへの現在の理解度を知るための受講前アンケートが実施されました。受講生も、1年生を中心としてさまざまな学部の学生が多数出席して熱心に受講していました。

 今年度もさまざまなテーマと多彩な講師陣で充実した授業が提供できるよう、本センターも取り組んでいきます。

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受講生の声

食品栄養科学部・1年・女性

 私は、ジェンダーという言葉を社会の授業でしか聞いたことがありませんでした。社会的性差と訳されることは知っていましたが、その意味を深く考えたこともありませんでした。でも、今日の講義を聞いてジェンダーというものが私たちの生活と密接に関わっていることを知りました。今は男女平等といわれているけど実際に性暴力などの問題があります。これは男性からしたら女性はこうあるべきだ、女性からしたら男性はこうあるべきだとという考え方のずれから生じるものだと思います。私は女だけど性暴力の被害者にも加害者にもなってしまう可能性があります。そうならないためにもこれからの講義でいろいろな人の経験を聞いてジェンダーに対する考え方を身に着けていきたいです。また私は、女は男を好きになり、男は女を好きになることが普通だと思っていました。でもそう思うこと自体が差別になってしまっているということを知りました。これまではLGBTの方をテレビで見ると少し冷やかしたような目で見てしまうことが多かったのですが、そういう方々の気持ちを思うとこれからは尊重していきたいです。

国際関係学部・3年・女性

 初回のイントロダクションを聞いて、この授業を通じて多くのことを吸収することができ、自分の視野が大きく広がるのではないかと感じました。毎回、豪華な講師の方々にお越し頂き貴重なお話を聞くことができるので、毎回の授業がとても楽しみなのですが、特に第10回目の松下光恵さんのお話を楽しみにしています。私はSSSというボランティアサークルに所属していて、そこで松下さんによくお世話になっています。いつも的確なアドバイスを頂き、人間的にもリスペクトできる方なので、お話を聞くことができ、とても嬉しいです。

経営情報学部・1年・女性

 今回の話の中心はこの授業についての全体的な流れについての説明だったが気づかされることがいくつかあった。私自身、このテーマについてとても関心があったが、やはりどこかで「男」と「女」だけの世界のみで起こっている出来事のように思ってしまう。しかし、そうではない。私は高校時代、女子高にいたが、女子という単一の色を持った人間が集まったとは思えないほど色鮮やかな世界だった。本当にたくさんの個性があって、考え方があって、人間は二つの性別に分けられるのかと疑問に思った。もっとこの授業でたくさんの人々の考えに触れたいと思う。

国際関係学部・2年・女性

 男女共同参画社会やジェンダーの問題は、はっきりと目に見えるものではないからこそ、自分の人生と結びつけ、自らの問題として考えていくことが大切だと思いました。授業予定のそれぞれのテーマを見ると、ジェンダーは様々な部分で関わっているということに加えて、男女共同参画社会の法制度についてあまりよく知らないということに気づかされました。これから、いずれ社会に向かって歩んでいかなければならない私にとって大学で、社会への知識が浅い部分を補える一つの手段が、授業があることは貴重なことだと思います。男女だけで分けられる必要はないことや、ジェンダーに縛られているかもしれない日常の選択など、当たり前と思っていたことも見直す機会になればとも思います。身近にあるものとして考え、理解を深めていきたいです。

食品栄養科学部・1年・女性

 男女格差の問題といったら、政治の男性の数に比べて女性ははるかに少ないといった問題や、就職して能力が同じくらいだったとしても男性の方が昇進しやすいといった問題しか思い浮かばなかったので、その他たくさんのことにも男女格差やジェンダーの問題があることを知って驚いた。教育やマスメディアでは格差がなくなるようなことをしているものだと思っていたが、これらによって小さい頃から私たちには男女格差やジェンダーの問題が知らぬ間に刷り込まれているのは怖いことだと思った。一人ひとりが男女共同参画社会とジェンダーの問題についてもっと関心を深め、少しずつこれらの問題を解決していくことが重要性だと思う。

経営情報学部・1年・女性

 最近になって「ジェンダー」や「LGBT」という言葉をよく耳にするようになった気がします。その言葉を知りはじめたときに昨年話題にもなった「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマをみました。そのドラマの中でジェンダーについて触れていた部分があり興味を持ったな、というきっかけを思い出しました。台詞中にも男だから女だからで決めつけられているというニュアンスのものがあったり、作中の男性がしゃんとしていなかった時、「男なんだからしっかりしろよ」という意見がネット上にもたくさん飛び交い、自分自身もそう思っていたらその役を演じた方が「その意見を持っている人こそ男だからこうあるべきだという意識に縛られている」という発言をして、私ははっとしたのを覚えています。もうこのジェンダーは知らないうちに根付いていて当たり前だと思い込んでいたものだったのだな、と感じました。その当たり前だと思っていたことにおかしいと感じ、ここまでジェンダーについて明るみにされたことはとてもすごいことだと思います。私がこのジェンダーについて知ることができたのは最近ですし流れからでしたが、せっかく知れたことであるしもっと知りたいと感じました。これからあるこの講義でもっと踏み込んだことを知っていろいろな視点から社会を見られるようになりたいとも感じました。