2013年10月29日 <性暴力防止啓発講演会+女性学生のための護身術講座>が開催されました
10月29日(火)午後1時〜4時30分、国際関係学部3215教室にて、「私は悪くない!虐待・DVを乗り越えて」と題して、性暴力防止啓発講演会+女性学生のための護身術講座が開催されました。内容はII部構成になっており、第I部性暴力防止啓発講演会の方は男女参加、第II部女性学生のための護身術講座「WEN-DO」セルフディフェンスは女性のみの参加によって実施されました。
これは例年静岡市女性会館アイセル21との共催により、特に女性を対象とした本センターの性暴力防止のための実践的講座として実施しているもので、今回で4回目になります。講師は、リアライズYOKOHAMA代表の橋本明子先生で、性暴力防止をめざした一般的講演の後、とくに女性の学生に絞って実技を通した護身術WEN-DOの修得を目的とした講座を実施しているところに特色があります。
第I部(13:00〜14:30)では、まず男女受講者全員に対して、性暴力被害の実情を理解し、性暴力の発生を防止して、女性の人権の重要性に気づくための講義が行われました。暴力とは何か、という一般的規定から始まり、それが人の心と体を深く傷つける行為であること、暴力のない状態とある状態の対比を通して暴力が自由を奪い、人を選択肢のない状態に陥らせていく過程が丁寧に説明されました。また暴力は常に力関係の中で起こり、DVもまた代表的な暴力であることが示され、他者との距離のあり方を通して暴力が発生するメカニズムが図を用いてわかりやすく提示されました。またDVを扱ったショート・プレイが実演され、それを基にして受講者たちが小グループに分かれてディスカッションを行うワークショップも実施されました。DV関係に見られる暴力の悪循環の構造も示された後、外から加わる暴力のために自己への内的抑圧が発生し、それが自尊感情を低下させるマイナスの力になる関係性が論じられ、さらにそれに対抗して外から希望や人権意識や友情・愛情、共感といったプラスの力が作用すれば内的抑圧が弱まり、生命力や創造力や感性が回復される仕組みが、講師自身の経験事例を通して詳しく論じられて、最後にDVを防ぐ実践的対応やピアサポートの重要性が、参加者の実践を通して体感的に理解できるよう指導が行われました。
続いて第II部では、男女各々のグループに分かれ、女性の参加者に対しては、性暴力の被害に遭いそうになった時に無理なく誰でも使えて覚えやすい護身術について、橋本先生の実技指導による体を使った実践的練習を通して、わかりやすく具体的な講習が行われました。(なお男性参加者に対しては、同時間帯に男女共同参画推進センター長の指導により、別室で、性暴力被害の防止をめざした男性の取組についてのディスカッションが行われました。)
参加者は国際関係学部、食品栄養学部の学部生、大学院生14名(うち男性1名)、と女性教員2名、その他3名。わかりやすい講演と、実践的に体得できる実技を通して、性暴力の防止に向けてとても役に立つ講座であったと、多くの参加者から高い評価を受けました。
本センターでは、今後もこの講座を継続開催し、特に実験等により深夜の帰宅の頻度が高い理系の女性教員、院生などを中心に、できるだけ開催回数を増やして受講者の一層の拡大を図る予定です。