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2019年度男女共同参画社会推進センター講演会「性(ジェンダー)と暴力~学生のためのハッピー恋愛論~」が開催されました

 2019年度男女共同参画社会推進センター講演会「性暴力とジェンダー~学生のためのハッピー恋愛論~」が、6月20日(木)午後4時20分~5時50分、一般教育棟2103室にて開催されました。 

 この講演会は、学生に広く現代社会のデートDVをはじめとする性と暴力の実態とその特質を中心にジェンダー論の視点から問題提起を行い、身近なテーマとしての恋愛を通して、学生自身にジェンダーやマイノリティの視点によって自らの生き方や社会のあり方への認識を深めてもらう目的で、本センターが静岡市女性会館の協力を得て開催する講演会です。また全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の授業の一環としても位置付けられています。 

 出席者は学生、教職員等およそ150人で、盛況な講演会となりました。 

 講師には、立命館大学・愛知淑徳大学等の非常勤講師で、ジェンダーの視点で労働問題、社会政策を研究され、デートDV防止ファシリテーターとして全国的に活躍しておられる伊田広行先生を大阪からお招きして、90分にわたり講演と質疑応答を行っていただきました。

 講演では、まず最初に今回の授業でぜひ習得してほしい最も重要な考え方として「シングル単位」の思考法を身につけることが提示されました。そして、デートDVなど自分には関係ないと思いがちな多くの学生に対して、これは誰もが加害者にも被害者にもなりうる身近な問題であること、さらにどこまでがDVなのかの客観的な指標について触れながら、本当に深刻なDVは少ないように見えても、軽度の「グレーゾーン」を放置しておくとDVのレベルは上昇していくことが指摘されました。

 さらに、DVと対等な恋愛との違いについて、スクランブルエッグとゆで卵といった大変わかりやすいたとえを用いて説明がなされた後、前者のカップル単位的な関係を脱却して対等な関わりの中でお互いの成長を応援し合うシングル単位的な関係へ移行することの重要性が強調されました。そして、それを受けて現代社会のデートDVに関し、それが力による支配であり、主流秩序への従属が強く求められる現代社会においてともすると若者が陥りがちな問題点であり、一人ひとりがリテラシー力をつけ、既存の秩序に無自覚に従うばかりでない生き方を知ることで対処することの大切さが説かれました。そしてDV関係が相手の安全、自信、自由、成長を奪う行為であることが説明され、デートDVの種類(広さ)とレベル(程度)の詳細が示された上で、恋愛関係に限らず、たとえば親子関係においてもDV的な権力性、暴力性をもった愛の形が存在するなど、この問題が社会全体の不健全な共同体愛に共通する課題であることが強調されました。 

 さらに、DVと対等な恋愛との違いについて前者のカップル単位的な関係を脱却して対等な関わりの中でお互いの成長を応援し合うシングル単位的な関係へ移行し、徹底的に性的同意を尊重することの重要性が、アドラー心理学でも強調される「課題の分離」の視点も踏まえて詳しく論じられました。またこの問題が恋人や夫婦観に止まらず、親子関係、さらには職場、学校、メディア、政治、社会活動など現代社会全体に広がるゆがんだ主流秩序への従属という深刻な課題につながっていることから、私たち一人ひとりがシングル単位の立場に徹底して立ってこうした諸問題に対処していくことの大切さが繰り返し強調して論じられました。最後は質疑応答の時間が設けられ、学生からの数多くの質問にも、時間の許す限り具体的に分かりやすく回答をしていただくことができました。

 現代の恋愛、そして社会全体に潜むジェンダーと主流秩序という根本的な問題点について、出席した学生や教職員があらためて自ら認識を深めていく上で、多くの新しい視点を提供してもらえた充実した内容の講演会となりました。

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