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「スタート・ワーク・アゲイン・ミーティング」が開催されました

 2014年3月14日(金)午後1時30分〜3時30分、本学国際関係学部3110室において、「スタート・ワーク・アゲイン・ミーティング」が開催されました。

 これは静岡大学が採択された「平成25年度文部科学省女性研究者研究活動支援事業(拠点型)」の一環として行われたミーティングで、同事業に連携機関として参加している本学を会場として実施された取組です。主として育児休業中あるいは育児休業から復帰後1年以内の女性研究者を対象として、育児中の悩みや復帰後の職場での働き方など、各自の抱えている不安や経験を自由に気軽な雰囲気の中で話し合って、課題の共有や問題解決の方策を探ろうとする目的で今回開催されたものです。

 主催者として静岡大学からは、男女共同参画担当の副学長で男女共同参画推進室長の中野美恵子教授や同推進室の的場啓一准教授はじめとするスタッフの皆さんが来学され、また本学からは男女共同参画推進センターの犬塚センター長や小林副センター長、青山センター教員らがサポートさせていただき、準備と運営を行いました。トークの参加者は、本学国際関係学部や食品栄養科学部などから、出産後育児休業を取得した経験を持つ女性研究者、あるいはこれから出産予定の女性研究者や、未婚だが将来結婚・出産を希望している女性研究者ら5名、その他育児休業など労務担当の事務局職員などでした。

 プログラムは、的場准教授の司会の下で、まず最初に、育児休業を利用し、現在仕事と子育てを両立している体験者として、本学薬学部助教の金子雪子さんと、静岡大学総務部職員課職員係主任の清水千佳さんが、それぞれのこれまでの生活歴や、日々の子育てと仕事の両立の実情、あるいは、困どのような困難や悩みを持ち、どのようにしてそれを乗り越えてきたかといった経験談を語られ、それぞれに対する感想や質疑応答、さらに参加者全員でのフリートークといった流れで、大変和やかな雰囲気のうちに進められていきました。

 金子さんからは、育児休業取得前と後でそれぞれ子育ての上でどのような壁を経験したかや、職場復帰を左右する要因として家族環境、職場の理解、自分の気持ちの3点が指摘され、職場の育児支援がしっかりしていれば育児の障壁は解消することが強調されました。さらに職場の人間関係を円滑にし、出産以前のように働けなくても焦らない「鈍感力」が大切なこと、ロールモデルが身近にいないことが不安を増大させるので、仕事と子育てを両立する女性の母数が増えればロールモデルの増加につながり、働きやすい職場環境づくりにもつながること、などが丁寧に述べられました。また清水さんからは、三歳児神話にとらわれがちだったときに出会った、「子どもと接する時間は短くてもその時々の子育てに「打ち込むこと」が大切」という佐々木正美氏の言葉によって救われた経験や、周りの家族や地域の支援をしっかり活用しながら、育児の主導権は夫婦が持ってぶれないことの大切さ、どうしてもたまるストレスを有効に解消することの重要性などが具体例を交えて分かりやすく述べられました。

 こうした経験談を聞いた参加者からは、子どもが予想以上に病気を多発し苦労するなど共通の経験に強い共感を覚えたり、どうしても母親の方が子どものケアのために父親以上に休まざるをえない現状への違和感をあらためて実感したという声や、仕事と結婚の両立という生き方の選択をどういうきっかけで決意したのか、についての質問、あるいは結婚、育児経験の先輩の人たちの経験談を聞けて大変よかった、同じ立場の女性たちがもっと本音で愚痴を言い合えるこうした機会がもっとあるとよい、といった提言も聞かれました。そして、仕事と子育てを両立することを自分たちが教えている女子学生たちにロールモデルとなって示していくことも教員としての務めであることや、職場など支援してくれる周囲への感謝を忘れないことが大切であることといった意見も出され、また任期付き教員の場合の将来への不安などについても、子どもを持つことが自信につながり、効率的な仕事の仕方や学生たちによる補助をうまく活用することでストレスも減って前に少しずつ進んでいくことが出来るといった助言も示されました。

 本学としても初の試みでしたが、和やかで明るい雰囲気のうちに全員が積極的に発言して、多くの貴重な意見や情報の交換が行われたミーティングとなりました。この問題へのさらなる取組の必要性と、女性研究者同士の交流や連携・協力の重要性について認識を深めることのできた意義深い機会でした。

 今後も本センターは、この事業を通して静岡大学との連携体制を強化しつつ、本学独自の子育て支援体制づくりへの提言に向けて、こうした取組をさらに進めていきたいと考えています。

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