Top / 事業紹介 / 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」 / 2012年度「男女共同参画社会とジェンダー」恋愛・結婚・家族とジェンダー

恋愛・結婚・家族とジェンダー(6月7日、担当:伊田広行)

 全学共通科目「男女共同参画社会とジェンダー」の8回目の授業が、6月7日(木)5限に行われました。

 今回は、個別領域ごとのジェンダーの問題を扱う各論部分の3回目になります。「恋愛・結婚・家族とジェンダー」と題して、神戸大学・立命館大学非常勤講師でデートDV防止ファシリテーターの伊田広行先生を大阪からお招きして講義をしていただきました。まず、最近の恋愛の実態としてのデートDVの現状について実際の事例紹介が行われ後、デートDVが力による支配であり、相手の安心、安全、自由、自己決定、成長を奪う行為であることが説明され、デートDVレベルや種類、また、なぜ相手と別れられないのかの根拠等が具体的に論じられました。

 そして、このような現代の恋愛実態の背景には、そもそも現代の社会が教える恋愛観、結婚観自体に「カップル単位」という観念が存在しているという大きな問題があることが指摘され、そこから「パートナーがいて幸せ」「愛する二人は一体」といった個人の自立を否定する価値観が生じ、ひいては家族単位社会やジェンダーと貧困といった問題が生み出されていることがわかりやすく論じられました。さらに、それに対する対案として、対等な関係性を作り出すためには、これまでのカップル単位の発想による恋愛観から脱却し、恋愛を相対化して、あくまでも「ひとり=自立」を基本とする「シングル単位」の社会をめざし、多様な人が多様に、平等に生きられる社会を築いていくことの重要性が説かれました。

 講義の後、学生からのさまざまな質問にも熱心に答えていただき、現代の恋愛や結婚に潜む根本的な問題点について、出席した学生があらためて自ら認識を深めていく上で、多くの新しい視点を提供してもらえた充実した授業となりました。

 次回は国際関係学部の藤巻光浩先生による「マイノリティとジェンダー」の講義が行われる予定です。

質疑応答

講演終了後に、受講生からの質問を募集し、講師の伊田先生にご回答いただきました。

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